環境変化と感染症環境変化による魚介類感染症の発生メカニズムの解明

魚介類も人間と同じようにウイルス,バクテリア,寄生虫などの病原体によって病気になります.このような病原体によって起こる病気は“感染症”と呼ばれています.健康な魚介類が感染症になる原因としては,病原性の強い病原体が出現することの他に,“環境変化によるストレス”が挙げられます.例えば,物理学的な環境変化としては,高・低水温,貧酸素などがあります.次に化学的な要因としては,タンカー事故で発生する重油汚染や過去に船舶塗料として用いたれていた有機スズなどが挙げられます.生物学的な要因としては,赤潮プランクトンなどが有名です.本研究では,これら物理・化学・生物学的環境変化に対して魚介類がどのように反応するのかを免疫システムなどに注目しながら調べています.そして,環境変化によるストレスによって免疫が低下し,どのような感染症が誘発されるのかを調べています.

本研究のキーワードは,“海洋環境変化,ストレス,免疫,病原微生物”です.

テクニックとしては,“魚類の飼育(一番たいへんで一番重要です),DNAマイクロアレイ,Real time PCR,病原体の培養,感染実験などが挙げられます”.

本研究の協力グループ

1.愛媛大学沿岸環境科学研究センター(生態毒性解析分野)

2.愛媛大学理学部生物学科 村上研究室

3.韓国国立全南大学水産生命医学科 呉・鄭研究室

論文
(重油が生物に与える影響)
【1】S Nishimoto, M Yamawaki, K Akiyama, Y Kakinuma, SI Kitamura, T Sugahara (2009) Severe abnormalities in the reproductive organs of mice by chemical substances contained in heavy oil. J. Toxicol. Sci. 34: 239-244.
【2】Y Murakami, SI Kitamura, K Nakayama, S Matsuoka, H Sakaguchi (2008) Effects of heavy oil in the developing spotted Halibut, Verasper variegates. Mar. Pollut. Bull., 57: 524-528.
【3】JY Song, K Nakayama, Y Murakami, SJ Jung, MJ Oh, S Matsuoka, H Kawakami, SI Kitamura (2008) Does heavy oil pollution induce bacterial diseases in Japanese flounder Paralichthys olivaceus ? Mar. Pollut. Bull., 57: 889-894.
【4】K Nakayama, SI Kitamura, Y Murakami, JY Song, SJ Jung, MJ Oh, H Iwata, S Tanabe (2008) Toxicogenomic analysis of immune system-related genes in Japanese flounder (Paralichthys olivaceus) exposed to heavy oil. Mar. Pollut. Bull., 57: 445-452.

(病原体の複合ストレス影響)
【1】MJ Oh, WS Kim, SI Kitamura, HK Lee, BW Son, TS Jung, SJ Jung (2006) Change of pathogenicity in olive flounder Paralichthys olivaceus by co-infection of Vibrio harveyi, Edwardsiella tarda and marine birnavirus. Aquaculture, 257: 156-16.