環境ストレスに対する生物の応答を理解するために,マイクロアレイ技術を用いて遺伝子発現レベルの変化を網羅的に解析しています。これまでに,魚類ではヒラメやメダカ,鳥類ではカワウを対象にマイクロアレイを適用し,有機スズやPCBs,ダイオキシン類,有機フッ素化合物,重油暴露に対する応答遺伝子群のスクリーニングを通じて,それらの毒性影響を評価しています。また,実環境における化学物質のリスク評価を目的として,複合的な環境ストレスによる影響を解析しています。現在は,数百から数千遺伝子の発現パターンをもとに,化学物質暴露による影響の度合い,さらには生理活性状態を反映する指標の確立を試みており,トキシコゲノミクスのフィールド調査への応用を目指しています。